カテゴリ
月別 アーカイブ
- 2025年9月 (3)
- 2025年8月 (5)
- 2025年7月 (3)
- 2025年6月 (4)
- 2025年5月 (4)
- 2025年4月 (4)
- 2025年3月 (5)
- 2025年2月 (4)
- 2025年1月 (4)
- 2024年10月 (2)
- 2024年9月 (4)
- 2024年8月 (4)
- 2024年7月 (4)
- 2024年6月 (4)
- 2024年5月 (5)
- 2024年4月 (5)
- 2024年3月 (3)
- 2024年2月 (5)
- 2024年1月 (4)
- 2023年9月 (3)
- 2023年8月 (3)
- 2023年7月 (3)
- 2023年6月 (3)
- 2023年5月 (5)
- 2023年3月 (5)
- 2023年2月 (3)
- 2023年1月 (3)
- 2022年12月 (4)
- 2022年11月 (4)
- 2022年10月 (4)
- 2022年9月 (4)
- 2022年8月 (4)
- 2022年7月 (3)
- 2022年6月 (5)
- 2022年5月 (5)
- 2022年4月 (1)
- 2022年3月 (5)
- 2022年2月 (4)
- 2022年1月 (3)
- 2021年12月 (5)
- 2021年11月 (3)
- 2021年10月 (5)
- 2021年9月 (4)
- 2021年8月 (4)
- 2021年7月 (5)
- 2021年6月 (3)
- 2021年5月 (4)
- 2021年4月 (3)
- 2021年3月 (4)
- 2021年2月 (4)
- 2021年1月 (5)
- 2020年12月 (4)
- 2020年11月 (4)
- 2020年10月 (5)
- 2020年9月 (4)
- 2020年8月 (4)
- 2020年7月 (5)
- 2020年6月 (4)
- 2020年5月 (4)
- 2020年4月 (4)
- 2020年3月 (4)
- 2020年2月 (4)
- 2020年1月 (2)
- 2019年12月 (5)
- 2019年11月 (3)
- 2019年10月 (5)
- 2019年9月 (4)
- 2019年8月 (4)
- 2019年7月 (5)
- 2019年6月 (5)
- 2019年5月 (4)
- 2019年4月 (4)
- 2019年3月 (4)
- 2019年2月 (5)
- 2019年1月 (4)
- 2018年12月 (4)
- 2018年11月 (5)
- 2018年10月 (5)
- 2018年9月 (5)
- 2018年8月 (4)
- 2018年7月 (4)
- 2018年6月 (5)
- 2018年5月 (4)
- 2018年3月 (4)
- 2018年2月 (5)
- 2018年1月 (3)
- 2017年12月 (2)
- 2017年11月 (3)
- 2017年10月 (4)
- 2017年9月 (2)
- 2017年8月 (4)
- 2017年7月 (2)
- 2017年6月 (3)
- 2017年5月 (1)
- 2017年4月 (2)
- 2017年3月 (3)
- 2017年2月 (3)
- 2017年1月 (3)
- 2016年12月 (4)
- 2016年11月 (3)
- 2016年3月 (2)
- 2016年2月 (1)
最近のエントリー
HOME > ブログ > 犬にしこりができたら?―考えられる原因と受診の目安|八潮市のペットクリニッククローバー
ブログ
犬にしこりができたら?―考えられる原因と受診の目安|八潮市のペットクリニッククローバー

こんにちは。八潮市のペットクリニッククローバー、院長の藤井和恵です。
「体を撫でていたら、コリっとしたふくらみが…」「今までなかったように思うけどプクッとしたものが手にあたる」「シミのような色の変化も出てきた…」——そんなご相談をよくいただきます。
犬の“しこり”は良性から治療を急ぐべきものまで幅広く、見た目だけでは判別がむずかしいのが特徴です。この記事では、西洋医学の観点に*中医学の視点(瘀血・痰湿)*も重ねて、受診のタイミングと家庭での観察ポイントをわかりやすくまとめました。
1|「しこり」ってどんなもの?(まず観察)
-
大きさ:ゴマ粒や米粒大〜ピンポン玉大など色々です
-
触感:やわらかい/硬い、動く(皮下で滑る)/動かない(皮膚に癒着)
-
表面:つるつる/でこぼこ、赤み・かさぶたの有無
-
痛み:触ると気にする・舐めている、
-
毛:脱毛・色の変化(シミのような色素沈着)
痛がらない小さなしこりでも、放置せず記録しましょう。写真に定規やコインを一緒に写すと、後から比較できます。
2|考えられる原因(代表例)
-
脂肪腫(良性):やわらかく、指で押すとゆっくり戻る感じ。脇腹・胸部・太ももに多め。
-
炎症・膿瘍:傷や異物がきっかけ。赤い・熱い・痛い、短期間で変化。
-
乳腺のしこり:避妊していないメスで注意。良性・悪性が混在し、早期発見が重要。
-
肥満細胞腫・軟部組織肉腫など(悪性):大きくなるスピードが速い/形がいびつ/色や表面が変化。
-
ワクチン・注射後の反応:小さな腫れが数日〜1週間で自然軽快することも。長引く・大きくなるなら受診。
3|ここは受診のサイン(迷ったら相談を)
-
急に大きくなる/2週間以上サイズが変わらない
-
硬くて動かない、皮膚や深部と癒着している
-
赤い・出血・ただれ・潰瘍化がある
-
触ると痛がる・舐め続ける
-
乳腺に沿って触れるしこり(特に未避妊メス)
-
再発を繰り返す、同時に体重減少・元気食欲低下がある
4|クローバーの診断ステップ(見て決めず、検査で決める)
-
触診・視診:部位・大きさ・可動性・皮膚変化を確認
-
細胞診(FNA):細い針で細胞を採り、がん細胞や炎症細胞の有無を確認
-
病理検査(生検):必要に応じて一部を採取し、確定診断と悪性度を評価
-
画像検査:レントゲン・エコーで広がりや転移のチェック
-
治療計画:良性は経過観察や摘出、炎症は処置と外用、悪性が疑わしければ切除・追加治療を検討
注意:自己判断で押す・潰す・刺すのは厳禁。炎症悪化や細胞の播種(まき散らし)につながることがあります。
5|中医学の視点:しこりと「瘀血」「痰湿」、そして“シミ”
中医学では、しこり(腫塊)は「瘀血(おけつ)」=血の流れの滞りや、「痰湿(たんしつ)」=代謝産物・水の停滞が関与して固まりやすくなると考えます。
-
瘀血サイン:色素沈着(シミ)、暗赤色、触ると痛む/夜間に増悪する痛み
-
痰湿サイン:やわらかめ・重だるさ・湿っぽい環境で悪化、肥満傾向
-
ケアの方向:めぐり(温める・動かす)、湿をさばく(体重・食事・運動の見直し)。
※漢方・温熱などは獣医の管理下で安全に。西洋医学的な検査と併走するのがクローバー流です。
*シミ(色の変化)*が増えるケースでも、瘀血のサインとして体のめぐりを整えるケアを併用すると、再発予防の土台づくりに役立つことがあります。
6|治療の考え方(症例に合わせた“ちょうど良い”選択)
-
良性腫瘍:部位・大きさ・生活の質を考え、経過観察または計画的な摘出(良性であっても出来ている位置によっては
生活の質を下げてしまう物もあります。飼い主様と相談の上摘出する場合もあります。) -
炎症・膿瘍:切開排膿・洗浄・外用ケアが中心。安易な全身抗菌薬は乱用せず、必要な場合は原因・期間を明確に
-
悪性腫瘍:外科的切除(適切なマージン)、必要に応じて追加治療
-
生活ケア:体重管理・舐め壊し防止・摩擦の少ないハーネス、抗炎症を意識した食事(脂質や炭水化物、添加物の見直し)
-
統合ケア:めぐり・代謝を意識した中医学的ケアを、西洋医学の治療と両輪で
7|おうちでできる観察と記録(“しこりノート”を作る)
-
いつから?:発見日を記録
-
どこに?:体の地図(左右・前後)に印をつける
-
どのくらい?:直径mmで測定(コイン比較OK)
-
どう変わる?:2週間ごとに写真を撮る
-
シミも一緒に:色・範囲の変化をメモ(瘀血の手がかり)
8|予防と早期発見のコツ
-
*月1回の“全身なでなでチェック”*を習慣化
-
シャンプー・ブラッシング時は脇・内股・乳腺・尾根元を丁寧に
-
体重管理・適度な運動で“痰湿”をためにくく
-
未避妊メスは乳腺腫瘍のリスクと避妊のタイミングを獣医と相談
-
高齢犬は定期健診でしこりスクリーニングを
9|まとめ:迷ったら「検査で確かめる」がいちばんの近道
-
見た目で決めず、検査で判断(細胞診(針でしこり細胞をほんの少し取る)→必要時に生検)
-
受診サイン:急に大きい/2週間変わらない/硬く動かない/赤い・出血・潰瘍/乳腺沿い
-
中医学の視点:しこりは瘀血・痰湿のサイン。シミの変化も一緒に観察
-
統合ケア:治療+体質・生活を整えて再発を減らす
八潮市・草加市・三郷市で*「しこりを見つけた」「シミも増えてきた」*と感じたら、どうぞ気軽にご相談ください。
“はやく確かめて、安心する”ことが、いちばんの治療につながります
当院では難しい症例やリスクのある子の場合は、連携している2次病院さんへのご紹介も行っております
一緒に伴奏していきます
お気軽にご相談ください
(ペットクリニッククローバー) 2025年9月12日 11:20