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犬・猫の膀胱炎|八潮市・草加市で頻尿・血尿・排尿トラブルにお困りの飼い主様へ
こんにちは。八潮市・草加市・三郷市のペットクリニッククローバー、院長の藤井和恵です。
「トイレに何度も行く」「血尿?」「おしっこがいつもよりも赤く感じる」「出したそうで出ない」——いつもと違うとかんじている飼い主様は多いと思います。
膀胱炎は犬と猫で原因や対処の考え方が異なるのがポイント。この記事では、犬=細菌性が多い/猫=ストレス関連(特発性膀胱炎)が多いという違いを軸に、受診の目安・検査・治療・予防を分かりやすくご紹介します。
1|膀胱炎ってどんな病気?
膀胱の粘膜に炎症が起き、頻尿・血尿・排尿痛などを引き起こす病気です。(症状が犬も猫も変わらないことが多いです。)
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犬:上行性の細菌感染が多い。特にメス犬に多く、結石や*内分泌疾患(糖尿病・クッシング等)*が関与することも。
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猫:細菌感染は少なく、*特発性膀胱炎(FIC)*が多数。ストレス・環境要因・水分不足が強く関与。
オス猫は尿道閉塞のリスクがあるため要注意。

2|こんな症状は膀胱炎のサイン
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何度もトイレに行く(頻尿)・/少量ずつしか出ない
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血尿(ピンク〜赤)/濁り・強いにおい
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排尿時に鳴く・いきむ・痛そう
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トイレ姿勢を何度も取る/トイレ以外でしてしまう
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陰部をしきりに舐める
緊急受診(特にオス猫)
・何度もトイレに行くのにまったく出ない/数滴だけ
・落ち着かない・鳴く・嘔吐・ぐったり
= 尿道閉塞の可能性。数時間で命に関わることがあります。様子を見ずに早めにご連絡下さい。
3|原因のちがい(犬と猫)
犬に多い原因
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細菌感染(尿道から侵入)
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膀胱/尿道結石(ストルバイト・シュウ酸カルシウム等)
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腫瘍、前立腺疾患(オス)、内分泌疾患
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水分不足(冬場はとくにリスク↑)
猫に多い原因
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特発性膀胱炎(FIC):ストレス・環境・水分・体質
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結石(ストルバイト・シュウ酸カルシウム等)/少数は細菌感染
腫瘍も可能性あり -
肥満・運動不足・トイレストレス(トイレ数・清潔さ・砂の種類)
4|受診の目安(犬・猫共通)
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血尿が出る
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頻繁にトイレに行くのに出にくい/排尿時に痛がる
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色やにおいがいつもと違う
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2日以上続く/繰り返す
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オス猫で出ない→即受診
5|クローバーの検査と診断
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尿検査:比重、pH、沈渣(赤血球・白血球・結晶・細菌)
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尿培養&薬剤感受性:犬の細菌性や再発例で実施し、抗菌薬は必要な時だけ適切に
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超音波検査(エコー)/X線:結石・腫瘍・壁肥厚の評価
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血液検査:腎機能、炎症、内分泌疾患の併発確認
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生活・ストレス評価(猫):環境・トイレ・飲水・同居動物との関係など
状況により検査項目を選択します。
6|治療の考え方(犬と猫のちがいを活かす)
犬(細菌性が多い)
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抗菌薬:培養・感受性に基づき選択/必要最小限の期間
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結石:
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ストルバイト=療法食+(細菌性なら)適切な抗菌薬で溶解を目指す
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シュウ酸カルシウム=溶けないため外科や低侵襲摘出+再発予防管理
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痛み・炎症:鎮痛・膀胱鎮痙を症例に応じて
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基礎疾患のコントロール(糖尿病など)
猫(FICが多い)
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痛みのコントロール:鎮痛・鎮痙
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水分アップ:ウェット主体、複数の水飲み場、自動給水器、ぬるま湯の工夫
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ストレスケア(MEMO:多面的環境調整)
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トイレ:頭数+1個、静かな場所、毎日清掃、砂は好みに合わせる
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隠れ場所・上下運動・遊びの時間を確保
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食事は、だらだら食べをすると尿のPhがアルカリ性に傾いたままになり結石ができやすくなる場合があるので獣医師と要相談。
早食いを回避 -
フェロモン製品の利用など(リラックス効果を期待)
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結石:種類に応じた療法食、再発予防プラン
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抗菌薬は原則不要(細菌感染が証明された場合のみ)
7|ご自宅でできる対処とケア
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飲水量UP:ぬるめの水/ボーンブロスの“薄い澄まし”を少量(塩・香味野菜なし)で嗜好性UP
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トイレ環境の最適化(猫):トイレの数・清潔・静けさ・砂の種類・トイレの場所
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トイレ我慢をさせない(犬):散歩回数の見直し、寒い季節は屋内トイレの再練習
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処方薬・療法食は指示通りに。良くなっても自己中断しない
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人の薬は絶対NG/サプリは担当獣医に相談して適応確認
※ボーンブロスの作り方は次回のブログで紹介します!!
8|予防のポイント
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こまめな水分補給:季節を問わず
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適正体重・運動:肥満はリスクに
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定期尿検査:年1〜2回、既往のある子は季節の変わり目に
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結石体質は療法食の継続と再発モニター
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トイレは清潔・静か・使いやすく(猫)
9|まとめ|“ちがい”を知れば、最短で楽になります
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犬は細菌性が多い→培養にもとづく治療+結石・基礎疾患の管理
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猫は特発性が多い→痛みのケア+水分&ストレス環境の調整(MEMO)
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血尿・排尿困難・オス猫で出ない=緊急
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検査→原因に合った治療→再発予防まで、クローバーがやさしく伴走します
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